レクサスGS誕生とモデルチェンジ

レクサスGSは1993年、トヨタ自動車の北米における高級ブランド『レクサス(LEXUS)』のグランドツーリングセダンとして誕生した。初代レクサスGSのGS300は、自然吸気エンジンの直列6気筒3.0リッターDOHCの2JZ-GE型エンジンと4速オートマチックトランスミッションをフロントに搭載し、リヤタイヤを駆動するFR方式のセダンであった。1998年、レクサスGSは2代目にフルモデルチェンジ(FMC)を行い、GS300に加え、V型8気筒4.0リッターの1UZ-FE型エンジンを搭載した、レクサスGS400をラインナップに追加する。2001年のマイナーチェンジ(MMC)では、4.0リッターから4.3リッターに排気量アップした3UZ-FE型エンジンに変更し、車名もレクサスGS400からGS430に変更された。その後、レクサスGSは2005年、現行モデルへのフルモデルチェンジ(FMC)を実施し、3代目の現行型の販売を開始した。このモデルからは北米市場だけでなく、日本国内においてのレクサスブランドの展開に伴い、日本においてもレクサスGSの名で販売されることとなった。

現行レクサスGS460と試乗記

現在、日本国内でレクサスGSは4グレードが販売されている。レクサスGSの3代目となる現行モデルは、2007年の10月にマイナーチェンジして外観ではミラーウィンカーが追加されるなど細部の変更を行い、レクサスGS460、GS350、GS350AWDそして高級ハイブリッドセダンのレクサスGS450hの4グレードとなった。
レクサスGS460に試乗させていただくと乗り心地の良さが際立つ。レクサスGSの魅力は、上質で豊かさを感じる乗り心地と安定性、高速走行においてもタイヤから発せられるロードノイズにしても、エンジンの音にしても、遥か遠方からわずかしか感じない静かなキャビンである。内装は、外車に乗って感じる非日常感のトキメキはなく、これといって派手さもないのであるが、肩肘を張らずに普通にくつろげる空間を感じるのはトヨタ自動車の高級ブランドのレクサスならではの感覚である。
3代目レクサスGSのV8エンジンはフルモデルチェンジ当初は4.3リッターであったが、マイナーチェンジにより4.6リッターの1UR-FSE型の新エンジンとなっている。4.6リッターと聞くと相当な高出力を予感させるが、特にアクセルに敏感であるとか、パワーがありすぎて扱いにくいということもない。しかし、高速道路での追越しにはたっぷりとした余裕があり、何事もないかのように加速してくれるのは、ストレスを感じさせない長所の一つである。
また、車に関するブログで有名な『みんカラ』においてもレクサスGSのドレスアップを楽しんでいる方は多い。『みんカラ』でのレクサスGSのドレスアップの定番は、アルミホイールの変更、エアロパーツや内装パーツの取り付けであるが、どの方のレクサスGSもセンス良くまとまっている。レクサスGSの魅力を損なうような変更をされている方はほとんど見受けられない。

レクサスGSのハイブリッドカーGS450h

現行レクサスGSにはGS450hという高級車としては珍しいガソリンとモーターのハイブリッドカーが存在する。レクサスGSのグレードはGS460やGS350といった排気量の数字を名称に用いており、GS460は4.6リッター、GS350は3.5リッターなのであるが、このGS450hにおいては、4.5リッターエンジンを搭載しているわけではない。
実際に搭載しているのは、レクサスGS350と同じ3.5リッターのV型6気筒エンジンの2GR-FSE型である。このエンジンにモーターとCVTというオートマチック無段変速機を組み合わせて搭載することで、4.5リッター並みの高出力を達成し、かつ驚くべきは2.0リッター並みの燃費を達成することである。レクサスGSを購入されるお客様にとっていちいちガソリンの費用を気にする方は多くないと思われるが、このハイブリッド仕様をレクサスがバリエーションとして設定しているのは、地球環境への配慮と期待を超える走行性能である。
ハイブリッドというと、トヨタのプリウスや、ホンダのインサイトやシビックなど燃費に特化した車のイメージがつきまとってきたが、このレクサスGSにはそのような雰囲気はまったくない。
以前であれば、ターボチャージャーやスーパーチャージャーといった加給機をハイパワー化に使用する例が多かったが、モーターにおいては、充分以上の出力向上を果たすとともに余分な排出ガスを抑えることができるメリットが最も大きな魅力である。

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